オ・モ・テ・ナ・シ。

あるタクシー会社に電話をかけた。

今日は仕事場にタクシーで行かなければならなかったからだ。

昔はタクシー会社によって当たりハズレがあったが、最近は少なくなったように思う。(僕がたまたまラッキーなだけかもしれないが)

過去に数回使ったことがあるだけで電話をかければ『いつもありがとうございます杉浦さま』と優しい声で対応してくれ、『今から10分程で到着致します』と言われたが実際は5分程で到着、そして運転手が外で立って待っているのだ。

たまに街中でスタイリストアシスタントが同じように車の外で待っている光景を見るが、なんとなくその師匠の気持ちがわかる気がした。

そして家を出ると左後部座席のドアを開けてこちらに向かって頭を下げているではないか。

このオモテナシは日本特有のものなんだろう。

少なくとも海外で僕はこんなオモテナシを受けたことがない。

なんとなくクリステルの気持ちがわかる気がした。

車内でも『クーラーの温度は大丈夫ですか?』という気配りや完璧な道順で仕事場へと送ってくれ、僕は気持ちの良い状態で仕事に臨むことができたのだ。

やはり日本のオモテナシは素晴らしい。

オモテナシといえばこの間の3連休、環七沿いに昔からあるファミリーレストランに行った時、席はすごく空いているのに入り口に10組くらい待っていてものすごくイライラしたことを思い出した。

確かに一気に客が帰って大変なのはわかる。

でも店員がそのテーブルを片付ける素振りはなく、こっちに向かって『もう少々お待ちください』の一言もなく、ましてや目を合わそうともしないのだ。

ようやく呼ばれたのはそれから20分くらいたってからで、その際に謝りもしない。

お客様をなんだと思っているのだろう。

ああゆう店員に限って閉店後に『いやぁ今日はバッタバタで俺だったから回った』とか言っているんだろう。

同じ日本とは思えないオモテナシだった。

奇しくもそのファミレスの名前を日本語に直訳すると『宮廷のオモテナシ』。

宮廷が聞いて呆れる。