G2。

人とご飯を食べに行った時、その人が飲食店勤務経験者かどうかを見極める方法がある。

それはゴキブリ(以下G)を見つけた時の反応だ。

騒いだり皆にわかるように店員にクレームをつける人は大抵未経験者。

逆に経験者はそれが小さければおしぼりなどで仕留めて他の客にバレぬよう店員に小声で言うか、もしくはそれがデカければ他の客にバレないように早く隠れろ!と心の底から祈る。

もちろんGはいないに越したことはないのだが、どんなに対策しても外から入ってきたGに対しては防ぎようがない。

飲食店勤務経験者はそれを痛いほどわかっているので、自分以外の店で見つけても騒いだりしないのだ。

そういうデリカシーを備えた人が最近減ったように思う。


よく専門学生の若い子からスタイリストになるために必要なことは何かと聞かれることがあるが、僕はデリカシーだと答える。

もちろんその他センスや技術的なことはあるが、デリカシーがない人にスタイリストは出来ないと思う。

というよりどんな職業でもデリカシーは必須項目だ。

じゃあそのデリカシーはどこで身に付けられるかと言うと、一番身近なところで飲食店なのだ。

客に対しての細やかな気配り、気持ちの良い応対の仕方、食べ物を扱う為の清潔さ、相手に不快な思いをさせない言葉使いや発声、etc,,

そういったデリカシーに繋がる全ての要素が飲食店にはあるのだ。(しっかりした飲食店に限るが。)

だからこそこれから社会人を迎える人には一度飲食店でバイトすることを薦めたい。


それにしても何故Gはあれほど皆の前に姿を出すのだろうか。

夜行性なのであれば、皆が寝静まった後に行動して明るくなったら一切出てこなければこんなに嫌われなくて済んだ筈なのだが。

ひょっとしたら昨今のデリカシーの低下現象に警鐘を鳴らす為に敢えて出てきてくれているのかもしれない。

殺されることも辞さず、自分がおとりとなってデリカシーの大事さを皆に教えていく。


そう考えたら、彼らこそ真のGメンと言えるのかもしれない。