席運。

僕には席運がない。

例えば映画館で席を取ると必ずと言っていいほど前にデカい人が座る。
これが1回や2回ならともかく、ほとんどそうだからやるせない。
この前なんて、あまりに前の人がデカくて見えづらいものだから、隣の席に移動したら映画が始まってすぐ新たな巨人が僕の前に座った。

定食屋でもそうだ。
僕の隣に座る人は大抵タバコを吸う。
それも僕が食べ始めようとすると、タイミングを計ったかのように一服する。
その瞬間、僕の好きな生姜焼き定食はニコチン定食へと姿を変えるのだ。

学校でもそうだった。
クラス運はそこそこあったのだが、いざ席替えになると仲の良い友達と近くの席になることはない。
ましてや好きな子と隣の席になり、消しゴムの貸し借りでドキドキするなんてドラマの中のシチュエーションは僕の人生で皆無だった。

僕は席運をあげようと、まず席(椅子)を好きになることから始めた。

そして家に一つ、一生モノになる椅子を買おうと決意し、探し回った。

そんな時に出会ったのがウェグナーのGE290。

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この椅子、見た目の美しさはさることながら、なんといっても座り心地が半端ない。

欲しい欲しい欲しい。
頭の中で、家のどこに配置するかもイメージできた。

しかしこれは復刻ではなく、オリジナルのヴィンテージ物で正直安くはなかったので、一旦気持ちを落ち着かせるために家に戻った。

翌日になっても買いたい気持ちに変わりはなく、僕は決心し現金をコンビニATMでおろしそのお店に急いだのだが、、
僕が欲しかったその椅子、
どうしても座りたかったその席には無情にも『売約済み』の札が貼ってあったのだ。

やはり僕には席運がない。