生まれ変わり。

人は何度も生まれ変わるという。

これは性格的な事ではなく、死後、その魂が何らかのカタチに変えて生まれ変わる、いわゆる仏教の輪廻転生という思想だ。

ある時を境に、僕はその思想はあるかもしれないと思うようになった。

それは2004年、メジャーリーグマリナーズイチローがシーズン安打数で世界記録を樹立した時だ。

当時、絶対破られる事は無いと言われていたシスラーのシーズン257安打という記録。

その記録を破った一人の東洋人。

一見なんら関係は無さそうにも見えるが、興味深いのはシスラーが亡くなったその年にイチローがこの世に産声をあげたということ。

そして、シスラーが記録を作った時代、メジャーリーグではホームランバッターこそ真のバッターという風潮があり、実際ベーブルースの認知度は野球をやっていない僕らでもあるくらいだが、シスラーという存在はあまり認知度が無く、イチローが記録を抜かす事によってようやく全世界にその偉大さが知られるようになったのだ。

自分の存在を認めて欲しかった、
自らの記録にまた挑戦したかった、
そういうシスラーの魂がイチローというカタチに生まれ変わったのではないかとその時感じたのである。


これは余談になるのだが、僕自身は誰の生まれ変わりなのだろうかと気になり、僕が生まれた年に亡くなった偉人を検索してみた。(もちろん偉人とは限らず、むしろそっちの方が少ないとは知りつつも期待を込めて)

するとジョージ・キューカーというアメリカの映画監督がヒットした。

良いではないか。

マイ・フェア・レディ』でアカデミー賞も受賞している。

良いではないかぁ。

媚のない誠実な姿勢で格調の高い作品を世に送り出し、また舞台出身者だけに俳優の魅力を最大限に引き出す演技指導の名人(Wikipediaより引用)。

良いではないかぁぁ!

間違いない。
僕はジョージの生まれ変わりなのだと確信し、Wikipediaを全部読んでみることにした。

上がったテンションがスクロールする指に伝わり何故か文字が拡大されながらも、僕は僕の生まれ変わる前のジョージを理解しようと必死に文字を追った。

そして僕は最後の一文に目を奪われる事となる。

『彼がゲイであったのは公然の秘密だった。』